誰が誰にいくら払うべきか:割り勘計算の考え方
5人で17件の支出、支払った人は4人。問いはいつも同じで、答えは一つしかありません。誰がいくら払うべきで、それを誰に渡すのか。
読了 9分
5人での週末旅行から帰ってきたとします。誰かが宿代を払い、別の誰かが食材を買い、もう一人がガソリン代と高速代を払い、残り2人は1セントも立て替えていません。グループチャットでは「じゃあ、精算しようか」と話が始まりますが、きれいに終わることはめったにありません。
計算そのものは単純です。難しいのは、それを声に出して、正しい順番で、質問を間違えずに進めることです。
大切な計算式はこれだけ
一人ひとりについて、次の式が成り立ちます。
収支 = 自分が立て替えた金額 − 自分が負担すべき金額 + 他の人に返済した金額 − 他の人から受け取った金額
収支がプラスなら、その人はお金を受け取る側です。マイナスなら、支払う側です。
そして、毎回確認しておきたい性質があります。
グループ全員の収支を合計すると、必ずちょうどゼロになります。
これは単なる決まり文句ではなく、検算の方法です。誰かが立て替えたお金は、立て替えた本人を含め、必ず誰かの負担になっています。もし収支の合計がゼロにならなければ、支出の記録漏れ、参加者の記録漏れ、あるいは返済をどちらの向きに数えるか間違えているはずです。次に進む前に、まず合計を確認しましょう。
すべてを狂わせる間違い:「立て替えた額」と「負担すべき額」の混同
これは断トツで多い間違いで、一見もっともらしく見えます。
多くの人は支出ごとに考えます。「アリスが300ユーロ払ったから、一人100ユーロずつ返そう」。次に食材代について、「ブルーノが90ユーロ払ったから、一人30ユーロずつ返そう」。結果、クロエはアリスに100ユーロ、ブルーノに30ユーロを払い、アリスはブルーノに30ユーロ、ブルーノはアリスに100ユーロを払うことになります。4回の送金のうち、2回は互いに打ち消し合う無駄なものです。
収支で考えれば、同じ経済的結果を2回の送金で実現できます。この違いは見た目だけの問題ではありません。送金一回一回が、忘れる、金額を間違える、誰かを待たせる、といったリスクの種になるからです。
全員の精算にたどり着く最短ルート
収支が確定したら、あとは誰が誰に払うかを決めるだけです。ルールはこうです。支払う側と受け取る側をそれぞれ並べ、一番大きな負債と一番大きな債権を突き合わせて相殺する、これを何も残らなくなるまで繰り返します。
先ほどの例で言えば、クロエは130の負債、ブルーノは40の負債、アリスは170の債権があります。クロエがアリスに130ユーロ、ブルーノがアリスに40ユーロを送金すれば、2回の送金で全員の収支がゼロになります。
覚えておくべき上限は、n人のグループなら、送金回数はn − 1回を超えることは絶対にありません。5人なら4回で必ず足り、実際には2〜3回で済むことがほとんどです。もし精算表がそれ以上の送金を提案してくるなら、まだ支出ごとに計算している証拠です。
割り切れない1セントの扱い
3人で10ユーロの支出があったとします。一人当たり3.333…ユーロです。セント単位で書けるのは3.33か3.34までで、3.33 × 3 = 9.99。1セント足りません。
これを切り捨てるのは最悪の選択です。合計が支出額と一致しなくなり、ゼロになるはずの不変条件が崩れてしまいます。支出が100件にもなれば、このズレは無視できないほど目立ち、精算表への信頼はゼロになります。
正しい方法は「最大剰余方式」と呼ばれるものです。まず各自の取り分を切り捨てて割り当て、残った1セント単位の端数を、小数部分が大きい人から順に配分します。1ユーロを3人で分ける場合なら、0.34、0.33、0.33。合計はぴったり1ユーロになります。
確認しておく価値のある条件が2つあります。
- 各自の取り分の合計は、必ず支出額と1セントの狂いもなく一致すること。
- 端数の割り当ては決定的であること、つまり同じデータで何度計算しても同じ結果になること。表示するたびに1セントが動くようでは、明白な計算ミスよりもかえって信頼を損ないます。
支出の割り方、4つのパターン
すべての支出が均等割りできるわけではなく、それしかできない精算アプリは無理にごまかすしかなくなります。
| 方式 | 使う場面 | 例 |
|---|---|---|
| 均等割り | 一番よくあるケース | 食材代、ガソリン代 |
| 割合(口数)指定 | 誰かが2人分としてカウントされる | 友人グループ内のカップル、2人部屋 |
| パーセント指定 | あらかじめ決めた固定の按分比率 | 収入に応じて40対60 |
| 実費指定 | 誰が何を頼んだかが明細でわかる | レストラン、明細付きの請求書 |
全員には関係のない支出
これは最初の夜が終わったあとに一番よく起こるケースで、表計算ソフトを一番よく壊すパターンでもあります。
6人のうち4人がレストランに行ったとします。92ユーロの会計は6人で割るのではなく、4人で割るべきです。それぞれの収支には即座にこれが反映される必要があり、「火曜日の小グループ」のために別の精算表を開く必要はないはずです。
だからこそ、使える精算アプリはグループのメンバーではなくその支出の参加者を単位に考えます。グループが決めるのは誰が閲覧・入力できるかであり、支出が決めるのは誰が払うかです。
Kotissoが実際にやっていること
Kotissoは、ここまで説明してきたことをそのまま実装しています。それぞれの支出は4つの方式のいずれかで割り振られ、収支は全員の画面でリアルタイムに再計算され、ゼロになるはずの不変条件は常に検証され、精算プランは最短ルートを提案します。
一風変わっていて、紹介する価値のある点が2つあります。
- 為替レートは入力時点で固定されます。バーツ建てで支払った支出は、入力したレートで一度だけ換算され、二度と変わりません。日々の為替レートを取りに行く仕組みにしてしまうと、旅行から3か月経っても、毎朝全員の収支が変動してしまいます。
- 精算表は書き出せます。表計算ソフトでもPDFでも構いません。ファイルには一人一列が割り当てられ、各行の合計はゼロになり、各自の列の合計はその人の最終的な収支と一致します。この不変条件はExcel上で検証できるようになり、どんな説明よりも早く議論に決着がつきます。
精算機能はすべて無料です。4つの割り方、書き出し機能、証憑、精算プラン、すべて含みます。
よくある質問
支出のたびに精算する必要がありますか? いいえ、むしろ逆効果です。結果は同じなのに、送金の回数だけが増えてしまいます。収支はそのまま流しておいて、最後にまとめて精算するか、シェアハウスなら月に一度精算するのがおすすめです。
グループ外の人のために誰かが立て替えた場合はどうすればいいですか? その人を幽霊メンバーとして登録してはいけません。実際に分担した金額で支出を記録し、グループ外の人の分は、返済があったときにそれとして扱うか、別の支出として扱いましょう。
途中から誰かを追加することはできますか? できます。その人の収支はゼロから始まり、それ以前の支出には関係しません。明示的に修正して含めない限りは対象外です。これは正しい挙動ですが、一番驚かれる挙動でもあります。
収支が精算されないまま残ったらどうなりますか? 返済が記録されるまで、精算表にそのまま残り、全員に見える状態が続きます。だからこそ、お金を借りたままグループを抜けることはできません。抜けてしまうと、他の人の収支からお金が消えてしまうからです。